始まってしまう

 私が大企業の社員だった頃の話。

 

遠出の研修が多かった為、泊まりや端の休みを使って旅行気分で行っていた。仲のいい同期もたくさんいて、飲んだり騒いだり楽しかった。

 

 大阪の1泊2日研修の通達のメールが来てすぐにチェックしたのは、誰が参加するのか。内容なんてどうせいつものロープレ、そんなの後回し、、、、、、なんといるではないか。目をつけていた男が。別の研修で一度話したことがあり、私を覚えているかなあなど考えていた。私に彼氏がいることなんてどうでもいい。ただ仲良くなるだけなのだから。インスタ交換して、何人かで遊ぶ時のメンバーのうち一人、という存在。

 

私は大阪観光の後、研修とは別の同期と会い、一緒に飲みその日はおさらばした。同い年の男の子で、見た目は(チャリできた)に出てきそうな明るく人懐っこいヤンキー。煙草の話、酒の話、仕事の話休みの話、、、、と大いに盛り上がった。

 その子が終電を逃し、お互いネットカフェに泊まった。もちろん別のフロアで。

 

次の日になり、スーツを着て研修に臨んだ。何回も見飽きたパワーポイント、何度もやったカード獲得話法、接客トーク。一日の研修が終わり誰と遊ぶか考えていると、2グループが誘ってくれた。初めての研修でたくさん遊んでくれたお姉さんたち。仲間ツテの多い普段から世話になっているお兄さん。初めての面が多い後者にした。お姉さんたちとは数日後にユニバに行く約束をした。

 お兄さんについていくと、なんと推しがいるではないか。初対面の女の子もいて凄く可愛かった。煙草を吸いながら歩いて話をしたり、カラオケをしたり居酒屋で飲んだり、、、楽しかった。推しが私のファッションや歌、煙草を褒めていた。女の子ともインスタ交換もでき、朝起きれないからお互い電話しあおうということでインスタだけではなくラインも交換できた。いい波が来ているじゃないか。

 

 次の日になりきっちり朝早く起きて電話をした。ちなみに電車を乗り間違えて私だけ遅刻した。話題作りのため半分能力半分わざとだししっかり心配してくれていたが、ここで計算高いなど言わないでほしい。社会人としてはかなり最低のことをしている自覚はあった。今すぐ死にたい。その日の研修後も同じメンバーで遊び、新幹線の早い推しと女の子は早く帰り、お兄さんたちと仲良くボウリングをした。その面々は次の日仕事で遠くのため、新幹線で帰り私一人になった。そこから事件は始まった。平和に美男美女を楽しんだというのに。

 

 なんと推しから電話が来た。出てみると新幹線を乗り過ごしたらしい。とりあえずホテルを一緒に探してあげた。私が泊まるホテルとは別にビジネスホテルが取れた。よし安全だ。何も始まらなくて済む。別れようとしたが、「まだ早いし、酒買ったんだけど一緒に飲まない?」酒が好きすぎる私はまんまと乗っかり一緒のホテルに入った。

 

 、、、、、緊張した。部屋には一つしかないベッド、テレビ、狭い風呂。座るところがベッドしかないのでそこに座るしかない。とりあえずビールを飲みながら私がいつも見ているNHKの芸術番組など勝手に見ていたがビールの味もわからないしテレビの内容も入ってこない。初めて顔を合わせた時のこと、実は気になっているなど言われて、めまいがしてとりあえず私は泊まる場所も手配もしていないためとりあえずシャワーを借りた。これに入ったらネットカフェにでも泊まろう。近くにあったはずだ、、、、湯にあたりながら一生懸命逃げる算段を考えた。

 

 シャワーをしていて酔いがさめるだろうと思っていたがその逆だった。いつの間にかムダ毛処理をしていた。こんなこと必要ないはずだ。けど考えてみると今ここでおっ始まってしまっても彼氏にはバレない。チクる奴もいなければ場所も遠い。私がイケメンとセックスをする機会がこの先あるとも思えない。一回くらいいいじゃないか。推しも待っていたので寝てみることにした。

 それでも緊張と罪悪感に襲われるので二人とも寝られなかった。話をしたりケータイで映画を見たりした。映画がエッチな雰囲気になるところ、キスをされそうになった。ふいに避けてしまった。「だめ?俺好きなんだよ。あの研修からずっと気になってたんだ。なかなか話す機会がなかったり研修も合わなくて連絡先も知らなくて。知ってるのは名前と社員プロフィールだけ。可愛すぎてたまらない。君が好きと書いていた三浦大知全部聞いた。」そんなこと言われたら好きになるだろーーーーーーーーーーーーー!「、、、、私も好き。気になってたのは同じ。」頭がパンクしすぎて、言わなくていいことを言ってしまった。「じゃあいいよね。ずっと会えないし」と始まってしまった。終わった後どうせ冷たくなるんだろうなと頭の隅で傷つかないシュミレーションもしたがそんなものは必要なかった。終わった後も優しくて、一緒に映画の続きを見て寝落ちした。

 

 朝一緒にホテルをでて、推しは新幹線で先に帰り、私はお姉さんたちとユニバへ向かった。やはり大阪には夢が詰まっている。いつか大阪に住みたいと思いながら今は別の仕事で汗を流し必死に働く。今は浮気など一切なく楽しい毎日を別の彼氏と送っている。

俺のバイト

正社員が嫌になって、またやりたい仕事がまともに見つかるまでは好きな事しようと思ってラブホの掃除のバイトしてる。

 

きっかけは、て○ちむのYouTubeでラブホバイト体験があって、人が楽しんだ残骸見るのがマジで面白かった。汚物を見るのが好きとかそんなんやなくて、(こんな汚し方するのどんな人間なんやろうか)とかそういうのが見てて楽しかった。あと運動ができる仕事が良かった。前の仕事で太ったので。

 

歩数計見るとカウント数はそうでもないけど、やっぱ足腰とかがやられる。2週間ほど腰痛が続いて知り合いからトゥルースリーパー貰ってしまった。あれ気持ちぇーよ。

 

仕事のやな事と言えば、客のゲロがあったり、まだ見た事ないけどうんこがあったり、お惣菜の残りがあったりする。自分ちやないから、汚してそのまんまでも怒られんし好き放題できて楽しいんやろうな。コ○ドームとかベット脇にそのまま置いてあったりする。

 

面白かったのは、ドレッサー用の椅子が風呂場に置いてあって、灰皿、ビール、低反発枕があった事。お前、風呂に住んでるのか?(灰皿は多分、相手がタバコの匂い嫌やったんかな)

 

よくあるのが、トイレのスリッパが風呂場にあったり、部屋にあったり。そのまま来ちゃったのはわかるがお前ら、やめろ。


私は働きたくなかったからここでしか仕事せんんかったけど、副業とか、マジでこの仕事が好きな人とか、そういう人が多い。底辺の仕事(笑)みたいに馬鹿にしながら入る人は仕事ナメてるしクビになったな。なんか迷った時にやってみるといいかもー。